チリのプレミアムワイン、アルマヴィーヴァの飲み比べ。

こんにちは、

Aoyama Wine Baseのフィゴーニです。

先日、ピーロートさんの試飲会でアルマヴィーヴァの飲み比べに参加してきました!!

今回は高級チリワインの代名詞の一つである、アルマヴィーヴァの垂直試飲で1999年から2020年までの飲み比べで、6銘柄を飲み比べました。

1999年、2009年、2013年、2018年、2019年、2020年の垂直試飲。

フランスのバロンフィリップドロートシルトとチリのコンチャイトロのプロジェクトで初ヴィンテージが1997年のブランドです。

サンティアゴ周辺のワイン産地の基礎知識

標高が650mほどあり、マイポ川が灌漑に必須な水を提供してくれる。

・緯度が34.4度とヨーロッパなどと比較して赤道に近いため、日照量が強い。乾燥による高い蒸散量もあいまって実の小さい凝縮した葡萄ができる。

・乾燥した地中海性気候で灌漑は必須(マイポ川の水を利用)。また、ぶどうの樹の競合を招かないように、ヘクタールあたり2000本飢えている(vs ボルドーは8000~10000本)。水捌けの良い沖積土壌で安定的な水分供給が重要になる。そのため、ドリップ灌漑を行う。

・日較差は20度もある。海岸山脈から守られ日照を昼間しっかりと享受するが、夜間はアンデス山脈から冷涼な空気が流れ落ちてくるため、夜間は冷え込む。これは、ぶどうの着色、酸味や糖分の保持には非常に重要な役割を果たす。

・メルローは過熟になりやすくあまり適していないらしい。そのため、年によってはメルローを使わない事もある。アルマヴィーヴァでは多くても1%ほどしか入れない。

テイスティングの感想

個人的には1999年が圧倒的に素晴らしかったです。タバコ、レザー、獣などの熟成香とカシスや杉のカベルネらしい香りの調和が素晴らしく、味わいもまだタンニンがしっかりしており、少なくとも後10年以上熟成させても複雑性が増しそうなポテンシャルでした。新世界の果実味爆弾のワインのワインは熟成しないと懐疑的な声も聞いた事がありますが、トップワインは確実に熟成しますし、熟成により品質が上がっていると体験できた事に大変意義を感じました。
正直、香りだけだとボルドーと言ってしまいそうな旨味などの旧世界を思わせる香りでしたが、口に含むと、ボリューム感と高いアルコール分が新世界を感じさせます。ただ、ボルゲリ!?南ア!?と言われればそうかもしれない、、、と思わせる非常に貴重な経験をできました。以前開けた1995年のセーニャも共通する所がありました。熟成した新世界のワインは熟成と共に旧世界ワインに寄っていくのかもしれないと感じました。

逆に2009年以降のヴィンテージはしっかりとした熟れた果実味、凝縮感は新世界を間違いなく連想させらました。巷で言われる“チリ臭”も感じられるため、チリの高級ワインだという所まで狭められる人もいると思います。


2009年から2020年までのワインを試飲して感じた事は2009年から2018年までのヴィンテージはワインが熟れ複雑性が出てきているように感じらましたが、2019年から2020年までは明らかに若すぎてキャンディのような甘い香りが強調されていました。そのため、個人的には今飲みにはまだ向いてないと感じました。

若いヴィンテージの中でその凝縮感と味わいの幅の広さ、奥深さから1番品質が高いと感じたのが2018年でしたので、どうしても今飲みたいなら2018年ヴィンテージお薦めしますが、これも20年ほど寝かせた方がポテンシャルが発揮されるのは間違いなさそうです。とはいえ、タンニンは完全に熟してシルキーな舌あたりですし、果実味もしっかりと感じられる骨格を覆い隠しているように感じられるため、今飲んでも楽しめると思いますし、果実味フォワードなスタイルのワインが好きな方は逆に熟成させないで飲んだ方がいいかもしれませんね!

最後に、ヴィンテージ差についてですが、ニューワールドは旧世界に比べてあまり重要ではないと聞きますが、どうでしょうか?個人的には、ヴィンテージ差はあるように感じましたが、単体で提供されたら、ヨーロッパのように今年は寒い年だったとか暑い年だったとかは当てる事が難しいように思いました(少なくともアルマヴィーヴァのワインは)。つまり、ヴィンテージの差はあるけど、ヨーロッパほどではないという事を鑑みると、個人的にはオフヴィンテージで価格が安いものを買った方が良いのではないかという率直な感想です。

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