生牡蠣とワインのペアリングディナー結果

こんにちは、Aoyama Wine Base のフィゴーニです。

第二回、生牡蠣とワインのペアリングディナーを実施いたしました(2023/02/12)!!

前回は生牡蠣と世界各国の生牡蠣と合うと一般的に言われるワインを集めてペアリングを実施したところ、ジャン・マルク・ブロカールの一級畑モンマン(リューディー ブトー)の2017年のワインが圧勝しました。

今回は様々なスタイルのシャブリのみを集め、どれが1番生牡蠣に合うのか検証しました。

ワイン

生産者は第一回目で使用した生産者(ブロカール)の別のキュヴェのワインを主に集めました。

ブロカールの通常のシャブリ(サンクレール)2021年

ブロカールの一級畑モンテ・ド・トネル2018年

ブロカールの一級畑モンテ・ド・トネル2008年マグナム、

ブロカールの特級畑ヴォーデジール2020年です。

ブロカール以外にも、シャブリの有名協同組合(ラ・シャブリジェンヌ)の作るピノ・ノワール ロゼワイン2021年

ドメーヌ・アラン・ジョフロワの樽シャブリ2021年も出しました。

生牡蠣

生牡蠣は真牡蠣が2種類(ブランド:ふわふわ おとふせ)と

住之江牡蠣(ブランド:セッカ)です。

手前の平べったいのが住之江牡蠣です。

様々なスタイルや等級のワインと生牡蠣を合わせてペアリングを検証するという趣旨の会です。

また、ペアリングのみならず、どのワインがと生牡蠣が1番美味しかったのかをアンケートをとり集計しました。

集計結果以下の通りです。上位は僅差でした。

1位2位3位
ベスト生牡蠣おとふせ5票 セッカ5票ふわふわ3票
ベストワイン特級畑5票一級畑2008年4票一級畑2018年4票
ベストペアリング村名シャブリ5票一級畑2018年4票特級畑3票

表で分かるように、牡蠣の好みはバラバラ、好みが分かれた形になりました。

ワインに関しては、品質の高いワインに票が集まりました。そのため、ロゼワイン、樽のシャブリやスタンダードの村名シャブリには票が集まりませんでした。

興味深いのはペアリングになると、1票も入らなかった通常の村名シャブリが一位になった点。ワイン単体としては物足りなくても、ペアリングでは最も優秀であるという事がわかります。

また、2位の一級畑の若い方のヴィンテージが2番目に良いと票が入ったのは、樽があまり効いていない方が一般的にはペアリングの相性が良かったと感じた人が多かったとも言い換えられます。

ただし、樽との相性が良いと感じられた方もいましたので、ペアリングも、合うか合わないかは個人差が大きい事は念頭に置いておく必要があると感じました。

感想

甲乙つけ難いですが、個人的に生牡蠣で今回1番好きだったのはセッカでした。セッカは平たく食感がよくさっぱりとした感じで、無限に食べられ気がしたためです 笑 ワインもそうですが、一本を通して楽しめるワインが1番好きなワインです。


真牡蠣のおとふせとふわふわは一般の方が想像される日本のクリーミーで旨味の詰まった丸っこい生牡蠣です。こちらも、もちろん素晴らしいですが、ワインとの相性という意味でも、より多くのスタイルのワインに合わせやすいと感じました。

次にワインに関してはプルミエ・クリュ(一級畑)のワインが好みです。キレがありフレッシュで溌剌とした酸味がシャブリらしいスタイルを保ちながらも、凝縮した風味、程よい馴染んだ樽香がバランスよく感じられ、一本を通してじっくり楽しめるワインに感じました。

対してグランクリュ(特級畑)はパワフルでリッチでしたが、樽香が浮き、個人的には調和がまだ取れていない印象でした。グランクリュクラスになると、多くの生産者は樽(シャブリは殆どが旧樽)の比率をあげていく傾向があり、今回もその傾向は顕著に感じられました。村名のシャブリ<一級畑<特級畑の順で樽の比率が増えていくことが多いのです。

今飲むには勿体ないというのが個人的な意見ですし、そう思われるプロの方も多いと思います。

対してプルミエ・クリュは樽もグラン・クリュほど使っていないため、若くして香りや味わいの調和が取れ、早くから飲んでも美味しい印象があります。シャブリの狙い目は間違いなくプルミエ・クリュのワインだと思いますよ!!!皆さんも是非、お試しください。

最後、ペアリングについてです。

樽を使っていない村名のシャブリ、もしくは一級畑のワインが1番相性が良いと感じました。

樽との相性が良いという方も数名いましたが、個人的には樽香との相性があまり良くないと感じました。生臭さが目立つのと、ワインの個性が強すぎると、お互の主張がぶつかってしまい喧嘩してしまう印象を受けました。

さらに、プルミエ・クリュのレベルでは、澱の上(酵母の死骸がアミノ酸を放出する事で旨味がでて柔らかなテクシチャーになる)で寝かせ、またMLF(乳酸発酵によりリンゴ酸が乳酸になりより柔らかい印象になる)も行うため、クリーミーでやわかい舌あたりが生牡蠣と相性がよく感じる所以かもしれません。

もちろん調理方法によって変わりますが(蒸、焼き、フライetc)、生牡蠣は樽の効いてないワインと合わせる方が無難であるセオリーを今回は体感しました。

新たな発見!今回のベストペアリング

実は今回のペアリングで1番良いと感じたのはワインと牡蠣のマリアージュではなく、パン、バターとワインのマリアージュでした。

薄く切ったバゲット(1cm未満)の上に無塩のバターを敷いて、その上に生牡蠣を載せて食べると、バターのクリーミーさと生牡蠣の旨味が完璧にマリアージュしました。究極のハーモニーです。

皆さんも、お気に入りの生牡蠣の食べ方、ワインとのペアリングがありましたら、教えていただければ幸いです。

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