牡蠣とワインのマリアージュ

こんにちは、Aoyama Wine Baseのフィゴーニです。

先日、日本オイスター協会の会長のコヒガさんとAoyama Wine Baseにてコラボイベントを実施しました。
生牡蠣(3種類×5の15個!!)とワイン(6種類)のペアリングを行い、マリアージュの検証をしました。

牡蠣の種類

牡蠣は全て同一生産者で佐賀県産のものを提供しました。

玄明:マガキ・真牡蠣・真牡。印象としては小ぶりで丸くクリーミーでコクが強い。

北天:マガキ・真牡蠣・真牡蛎。こちらは、小ぶりでクリーミー。

石花:スミノエガキ・セッカ・ヒラガキ・住之江牡蠣・住之江牡蛎。こちらは、平でコリコリとして蛋白(つぶ貝のような食感)。

3種ずつ

ワインは以下6種類

  1. キュペルリ グラン・クリュ NV : 王道のシャンパン。旨味やコクが強いタイプです。
  2. ソーヴィニヨン(ボルトルッソ) : イタリア、干潟土壌のソーヴィニヨン・ブラン。ハーブの香りに磯っぽい味わい。
  3. チャコリ(サンマルティン):スペインのバスク地方の地酒。こちらも酸が高く、塩っぽい味わいが特徴。
  4. シャブリ1級 (ジャン・マルク・ブロカール):厚みと旨味がしっかりとしたシャルドネ。
  5. マンサニージャ シェリー:ドライで辛口、ライトボディ、アフターに塩味を若干感じる。
  6. ソーテルヌ (デロー):甘口ワイン。オレンジマーマレイドや蜂蜜の味わい。

左から順にワインを提供しました。

結果

お客様(スタッフを含め15名)に5段階評価で点数をつけていただいた結果がこちらです。

評価基準結果
4点と5点が最も多かったワインフランスのシャブリ(1級)
総合点が最も高いワインイタリアのソーヴィニヨン・ブラン

海の塩×塩のマリアージュは個人的にはイマイチ

マリアージュのセオリーの一つに、似たもの同士を合わせると良いペアリングになるという考え方があるのはご存知だと思います。今回のテーマで言うと、牡蠣は海の産物で塩味が強く感じられるため、ワインも塩っぽく感じるものの相性が良いのではないかという仮説です。しかし、塩味のワインを合わせてみると、予想外にそこまで良いマリアージュだとは思わなかったです。その主な理由が、

・牡蠣の塩味が強すぎて、ワインの塩味が全く感じられなかった。

・塩っぽいものを食べた後にまた酸味が強くて塩味のようなワインを飲むと、口の中が疲れる。中和させたい。

牡蠣を食べ(殻に入っている海水と一緒に食べる)、口の中が塩っぽくなっているときに、追い討ちをかけて酸味や塩味が強いものを飲むと、刺激が強くて口の中が過度に酸っぱい状態になるため、クリームチーズやパンなど中和してくれるものが欲しくなりました(パン×クリームチーズが凄く進みました)。

そういった意味では、酸の高いシャンパーニュも余韻に酸っぱさが残りました。

適切な例えではないかもしれませんが、辛いインド料理を食べてる最中にアルコールの高いウィスキーやスピリッツ系のお酒は飲みたくないのと同じで、口の中をまろやかにして中和してくれる、マンゴーラッシーのような飲み物が欲しくなります。そういった意味で、酸味や塩味の強いワインはその逆の事を行なっているのだと体感しました。

ベスト マリアージュはシャブリの1級

今回のイベントに参加されたお客様と同様に、個人的にはシャブリと生牡蠣のペアリングがダントツで良かったですし、ワイン単体としての品質がずば抜けて高かったです。

その理由は、

・牡蠣の旨味やコクに負けないくらいのワインに厚み、コクや余韻があった。

・口の中が酸っぱさが → 円やかになった。

シャブリがワインとして一番コク、厚み、まろやかさがあり、塩っぱい牡蠣を食べた後に口の中を一番円やかにしたくれました。他の酸味が強くて塩味の強いワインよりも、中和反応による心地よい余韻が感じられた事が個人的にはベスト マリアージュに感じられました。今回は樽がないシャブリでしたので、次回は樽感のある、もしくは熟成感のあるシャルドネと合わせてみたいです(一般的には樽香と生牡蠣の相性はよくないと言われますが、検証してみないと分かりません)。

甘口はまだまだ検証の余地あり

甘口のソーテルヌは甘味やトロッとした口当たりが、牡蠣の塩分を中和してくれますが、甘さが強烈すぎて、牡蠣の印象が薄れてしまったため、個人的には好評価ではありませんでした。甘口を合わせるなら、もう少し甘さが控えめなものが良いかもしれません。アルザスの遅摘&貴腐ブドウを使ったゲヴェルツ、ピノグリのワインとの相性を検証してみたいです。

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