ワイン酵母を理解する

こんにちは〜

Aoyama Wine Baseのフィゴーニです。

本日は酵母のお話です。

ワイン造りにおける酵母の選択要因について、

Post Modern Winemaking を引用して書きます。

一般のワインスクールではあまりしない話のため面白いのではないでしょうか!?

野生酵母についての内容は今回は割愛します。

日本酒でもワインでも醸造酒はアルコール発酵によって糖分をアルコールにしますよね。

しかし、単純そうに思えて実際はそのメカニズムは複雑です。

発酵の過程で生まれる様々な副産物もワインの香りや味わいに影響を与えます。

そのため、酵母の種類以外にも、発酵槽、発酵温度、発酵期間なども含めて

全体の文脈の中で複合的に考えていく必要がありますね。

例えば、一般的なニュージーランドのソーヴィニオンブランの特徴である

パッションフルーツ、グースベリー、グレープフルーツはその香りを増幅させる

特殊な酵母が使われていると言われています。

また、それにプラスして発酵槽はステンレスなどを利用する事で

還元的な環境をつくり(酸素の排除することでチオール化合物の破壊を遅らせる)、

また発酵温度を低く保つ、(フルーティな香りの分子が軽い成分は

温度が上がると揮発してしまうためです)

などの工夫がされます。

近年は酵母による味わいや香りの違いに関する研究や論文が増え、

それに伴い、培養酵母を販売する企業も増えその重要性が言われるようになっています。

例えば、Aという酵母はラズベリーやイチゴの香りがする

と言ったようなマーケティング文言が酵母の購入時に記載されているようです。

結果、以前に比べて酵母の役割の大きさに焦点が当たっているようです。

しかし、これに対してスミスは

酵母の影響力があまりにも誇張されていると言います。

Aという酵母を使ったからと言って、Aの酵母の香りの特徴が長期的に

ワインに表れる事は基本的には無いと言います(特に赤ワイン)。

その特徴は醸造が完了して一年未満は個性が出るものの

(そういった意味では醸造後即リリースされるワインには大いに関係があると思いますが)、

その後は酵母による香りの違いの差は無くなっていくようです。

醸造学部のフレッシュマン(一年生)は最初の実験で酵母による香りの違いの大きさに驚くようですが、

時間の経過とともにその差が無くなる事を知ると言います。

すなわち、醸造家は酵母による香りの違いのみで酵母を選定はしていない可能性が高い事になります。

ではどのような基準で酵母を選定するのでしょうか?

選定基準で最も重要と言われているのが確実に発酵を完了させる事だそうです。

なぜなら、ワインは発酵途中に発酵が止まってしまうと、

発酵を再開させる事が非常に困難だからだそうです。

特に温暖な地域でとれた糖分の高いブドウや糖度の上がりやすい品種を

使うとそれに伴いアルコール度数も高くなります。

アルコールに耐性が弱い酵母だと発酵が途中で

止まってしまうリスクがあるようです。

酵母の選定理由その2。

酢酸やSO2の発酵の副産物の産出が少ない酵母を選択する目的があります。

酵母は種類によってアルコール、熱、二酸化炭素以外にも亜硫酸や酢酸といった

異なる副産物を産出しますが、その産出量も異なります。

酵母の選定理由その3。

酵母の発酵時の活力の違いです。

発酵があまりにもスピーディーに進むと必要な抽出ができない

(果皮や種からのフェノール)場合があるようです。

そのため、活力が抑え目で発酵がゆっくり進む酵母

を選択する事で必要な抽出を行うことがあるようです。

酵母の選定理由その4。

泡の産出を抑えるためです。

発酵すると泡が発生しますが、

たくさん泡が出ると樽/タンクに入れられる果汁の量が少なくなります。

そのためたくさんタンクを用意しなければならなくなり、

スピースも必要ですしコストのかさ増しになってしまいます。

そのため、コストやロジスティックスの観点から泡の産出が抑制される

酵母の選択が重要になる場合があるようです。

つまり、一般消費者の考えとは異なり、醸造のリアルな現場では酵母の香りが云々以上に、

無事に発酵を完了できるのか、副産物がどういったものでどれくらいの量か、

泡立ちは少ないのか、発酵スピードなどの様々な観点を複合的に考え選ばれるという事です。

酵母一つとっても奥の深い世界ですね。

では、雨ですが、本日も良い一日を!

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