ユニオン・デ・グラン・クリュ・ボルドー (UGCB)  2018

こんにちは、Aoyama Wine Baseのフィゴーニです。

先日、ユニオン・デ・グランクリュ・ボルドーの試飲会に行ってきました(スタッフのフィゴーニと小林)。

今年は2018年のボルドーを94種類テイスティングしました。

本記事では2018年ヴィンテージについての一般的な評価、テイスティングした上での個人的な評価と総括、そして最後におすすめワインをご紹介します。

試飲したシャトーの一覧

ポイント
✅2018年ヴィンテージはグレートヴィンテージ。
✅地球温暖化の影響+技術革新やキャノピーマネジメント→ 近年はあからさまに悪いヴィンテージが少ない。
✅試飲した94シャトーは全体的にハイレベル。ワインの出来は素晴らしい!
✅2018年は今飲んでも楽しめ、かつ、長期熟成に耐えうるポテンシャルを兼ね備えている。
✅フィゴーニお勧めはレオヴィル・バルトン、ポワフェレ、ヴァランドロー、シャトー・クラーク。
✅その年の質の高い銘柄の見極めは、土壌とブドウ栽培エリアの川からの距離で分かる!

ボルドー2018年ヴィンテージ

生育期間の前半は雨が多く天候不順により、ベト病などが慢延したため、一部オーガニック系の生産者は大幅な収量ダウン(パルメは11hl/ha)になったものの、夏から収穫までの期間は暖かく乾燥していたため、カベルネ・ソーヴィニオンとメルローはしっかりと熟す事ができ、多くのシャトーでカベルネのアルコールが14.0~14.5%まで達し、メルローは中には15%まで達するものもありました。

つまり、全体のワインのスタイルはリッチ&パワルフ、凝縮感があり高アルコールなものが多いです。

ヴィンテージ評価的にはグレートヴィンテージと呼ばれる2009年、2010年、2015年と2016年に並ぶと言われています。

ただし、2016年のようにボルドー全体が良いといったような一貫性はなく、金銭的にも労働動力的にも余裕がないシャトーは品質のバラつきがあったり、砂利質土壌で過度な水分ストレスを受けた一部のカベルネ・ソーヴィニオンベースのワインに影響がでたと聞いています。その反面、右岸やサンテステフの粘土質土壌は水分ストレスを免れ、全体的に品質が高い評価を受けています。

地球温暖化の関係

葡萄が毎年完熟するため、ボルドーやブルゴーニュの産地には地球温暖化がポジティブに働いていると一般的には言われています。

(※ しかし、スティーヴン スケルトンMWによると、近年の高い糖度は適切なキャノピーマネジメント、ボトリティスなどのカビ病のコントロールが、以前に比べて、成熟期間を伸ばしているという事も大きく影響しているといいます。つまり、地球温暖化は一要因であり、必ずしも糖度の上昇と温暖化の関係がリニアーではない事は念頭に置く必要があると思われます)。

また、上記の理由から葡萄が健全かつ収穫時に完熟している事が多く、過去のような明らかなバッドヴィンテージ(糖度が低く、水っぽく、青さや苦味を伴う未熟なタンニン)が目立つ年は少なくなっています。

そのため、近年はヴィンテージの良悪より、ヴィンテージ毎のスタイルの違いに重きが置かれているように見受けられます。つまり、近年はどのヴィンテージでも良い(⇨高品質)ワインが作られているのが前提にあり、その上でヴィンテージの個性がどのように表現されているか(例 クラシックでエレガントなヴィンテージ、パワフルで凝縮感が強い年)が重要になっているとも言い換えられます。

フィゴーニの2018年ヴィンテージ評価・総括

全体的にブドウの過熟/未熟さはなく、素晴らしい完熟感が感じられました。

冷涼でかつカビが繁殖しやすいヴィンテージに見られがちな、カビっぽい香り、青臭い香り、除光液のような香りは全く感じられませんでした(全てが優良シャトーであった事も関係はあると思います)。

また、全体を通してタンニンの質が緻密で果実味に溶け込んでいる事からも、フェノール類の成熟も素晴らしい印象を受けました。

また、夏から秋にかけて、暑く乾燥していた年だった事もあり、アルコールは全体的に平年に比べて高いですが、凝縮した果実味とのバランスがとれているため、馴染みが酸味が高く一体化されて、凝縮感とは裏腹に、飲み心地はフレッシュ、フィネス、エレガンスなど軽快さが感じられました。

長期熟成のポテンシャルのあるワインは若くともバランスが素晴らしい

若いヴィンテージのワインで初めからバランスが取れていない(例 タンニンが青く荒い、酸が強すぎて調和していない)ワインは熟成させても、バランスは向上しないとう考え方がありますが、個人的にもそのように感じます。

その点、2018年のボルドーは若いうちから、ワインの各要素が調和しており、果実風味の凝縮感+ワインのストラクチャー(主に酸、タンニンの質と量)が高いレベルでバランスが取れているため、長熟のポテンシャルがると考えられます。これは、右岸と左岸どちらにも言える事だと感じました。

つまり、今飲んでも、十分に楽しめるワインであると同時に、長期熟成にも耐えるポテンシャルがあるという、現代人の、"今すぐ開けて飲みたい+熟成させてからも飲みたい!!" 欲(ワガママだけど至って正論な意見)を見事に実現しているのではないかと感じました。

フィゴーニおすすめボルドー

Chateau Leoville Barton 2018

フィゴーニポイント:95  ひとみポイント:94~95

ワイナリーホームページより

文句なしの素晴らしいボルドーの左岸らしいカベルネ・ソーヴィニオンらしいワインです。

ブラックカラント、西洋杉が生えている森の中を歩いてような杉や木々の初々しさと旨味が融合したような香り(秋の森というよりかは、春の森)、葉巻、スミレのフローラルな香りが心地よいです。

味わいには生命感が溢れ出てくるような、力強さや凝縮感が感じられますが、ボリューミーでありながらも緻密で、きめ細かいタンニン、溌剌とした酸味がワイン全体を引き締め、口の中では球体をなすというよりかは、口の前方から喉に一直線に進むレーシングカーのようなエネルギッシュさやスピード感が感じられるような、躍動感溢れるワインです。

Chateau Leovill Poyferre 2018

フィゴーニポイント:95  ひとみポイント:95

ワイナリーホームページより

こちらも、レオヴィル・バルトンに遜色ない品質で甲乙つけがたい大変素晴らしい品質のワインです。

バルトンと同様、試飲会の中でも、突出したワインの1つ(個人的には)でした。バルトンに比べると、厚みや丸みのあるワインでした。

サンジュリアン村らしい安定感、しなやかさ、艶かしさを感じつつ、カベルネ・ソーヴィニオン主体のワイン由来であろうタイトでパリッとした食感、エネルギーや躍動感、ハーブ、西洋杉、カシスの香りが溢れ出してきます。果実の厚み、凝縮感、高次元でバランスのとれた、素晴らしいヴィンテージであった事が伺えます。

うーん、美味しい!!

メドックのトップワイナリーの味をご体感されたい方は是非飲んでいただきたいです。

おそらく価格も2万円は切ると思いますが、評論家も高得点をつけているため(→JD 100点 WS97点 RP97点 D96点 V95点)、値上がりは確実だと思います💦

ワイナリーホームページより

Chateau Valandraud 2018

フィゴーニポイント:96

ワイナリーホームページより

今回試飲したワインの中では最も濃くがあり、ダークチョコレート、深煎りコーヒー、ブラックベリーやブラックプラムのコンポートに新樽100%からくるであろう、トーストティーで、高級バニラとココナッツが混じったような香り、メルロー主体のミッドパレットが重厚かつヴェルヴェットのように分厚さと滑らかさが併存しており、旨味がじわっと広がる、奥行きと陰影のあるモダンスタイルのボルドーの傑作だと感じます。

熟成を得て、新樽が馴染んでくれば、更に美味しくなること間違いないでしょう!?

※ただし、エレガントでクラシックなボルドーが好きな方はお好みではないかもしれません。

余談 悪いと言われるヴィンテージこそ狙い目!!

悪いヴィンテージこそコストパフォーマンスが良いワインが多く出回わるように思います。ただし、選び方を間違えると、本当にハズレをひく可能性があるため、以下、オフヴィンテージワインを購入される時の参考としていただければ幸いです。

土壌から選ぶ

ボルドーの場合、粘土質土壌の多くは、メルローが植えられている事が多いですが、2003年, 2009年, 2018年の暑く乾燥した年は保水性の良さから、メルロー主体のワインの品質が比較的高いと考えられます。

サンテステフ、ムーリ、リストラック、ポムロールは粘土質土壌も多いため、暑く乾燥しているヴィンテージは狙い目かもしれません。

反対にカベルネ・ソーヴィニオンは水分ストレスにより光合成効率が下がり、葡萄が完熟しないorブドウが焼けて過熟になる場合もあるため、シャトーを慎重に選ぶ方が良いかもしれません。

次に、2007年や2013年のように雨が多い年はボルドー左岸の川沿いの砂利質土壌は排水性が良いため、成熟する9月や10月ごろの天候が暖かく乾燥している場合、ポイヤック、マルゴー、サンジュリアン、ペサックレオニャンなどカベルネ・ソーヴィニオン主体のワインの質が比較的高い事が考えれらます。

川からの距離で選ぶ

川沿い(特にジロンド川)は風の循環が良いため、カビ病にかかりにくかったり、真夏の暑さを緩和したり、また霜害を軽減させます。

そのため、雨が多いヴィンテージで病気が蔓延した場合や、2017年のように霜害により全体でみれば40%の収量減があった場合であっても、川沿いの地域は殆どダメージを受けない(ポイヤック、サンジュリアンやマルゴーの川沿いエリア)という例もありました。

反対に、より内陸の地域はもろにその影響を受け(例 オーメドックの大部分、リストラック)、ブドウが熟さないなど全体的に質と量共に悪い評判が考えられます。

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