WSET 生徒向けフィゴーニが大事だと思う勉強ポイント(色編)

下記記載の内容はこれまで受けたセミナーや参考文献を覚えている範囲で

まとめたもので、WSETという試験の文脈の中で読んでいただけると幸いです。

※ただ、私自身研究者では無いため、

中には誤解を招くような表現もあるかもしれませんがご了承ください。

最新の研究などの情報をお持ちの方でこれは明らかに違うよ、古いよ

というような事がありましたら、ご教示いただければ幸いです。

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色は2点の配点がつきます。

システマチックかつ一度抑えれば確実に点数が稼げるため、

答えられるようにしましょう。

保証はできませんが、

WSET的な観点では以下のテクニックを意識してみると良いかもしれません。

  1. まず色の濃淡を判断する所から始まり、赤ワイン白ワイン共に

Pale, Medium, Deepのいずれかで表現します。

赤ワインの場合、

注ぐ量を間違えると色の濃さを見誤る事があるため、

必ず50mlだけ注ぐ事を習慣づけましょう。

MediumとDeepの違いは、

グラスを上から見下ろした時にグラスのステムが見えればMedium、

見えなければDeepと記載します。

また、はっきりと透けて見える場合はPaleと記載しましょう。

これで確実に1点取れるため忘れずに!!

2. 次に色の表現の仕方です。

赤ワインの場合はPurple,RubyとGarnet、

白ワインの場合はlemon,gold,amber,brownと表現します。

では、purpleとrubyやrubyとGarnetなど、

はっきりと色の判別ができない場合はどうでしょうか?

この場合、

purpleとrubyの間の色だと思えばruby、

rubyとgarnetの間だとgarnetと記載します。

また、白ワインの場合は、

lemonとgoldの間だとgoldと記載します。

これも確実に1点取れるため、

忘れないように記載しましょう。

3.長過ぎる余談(色の濃淡で分かる事)

ここから先の内容は試験には出ないですが、

品種や産地、醸造方法を考えるうえで参考になる情報です。

色がこうだから絶対にこの品種だ!産地だ!醸造方法だ!

と結論づけることは不可能に近いため、

香りと味わいと複合的に考え結論を導き出す癖をつける事が大事だと思います。

こういうこと考えるのはかなりのオタクだと思いますが、

個人的には一番楽しい部分でもあります!

下記に記載されているように要因が多すぎて、

ただのメンタルエクササイズになる事がほとんどですが、、

【色が濃い(Deep)場合】

A.品種的な要因

色がdeepだと皮の分厚い品種である可能性を考えます。

(例カベルネ、ピノタージュ,マルベック、ピノグリ、ゲヴェルツ、ヴィオニエ)

B. 気候的な要因

高標高または低緯度(例 アルゼンチン)で紫外線が強く乾燥している産地では

皮が分厚く色が濃くなりやすい事があります。

ブドウは紫外線から自分の身を守るためQuercitinなどのフェノール類の分泌が促され、

抗酸化能力が高くなる場合もあります。

※但し色の濃さと品質は必ずしも正比例しない事は頭に入れておきましょう。

風が強い産地(例 カルフォルニアSanta Lucia Valleyや, 二ュージーランドMartinborough)

もブドウの身が小さく、果汁に対しての果皮の割合が高くなる傾向があります。

結果、色合いが濃くなる場合があります。

収穫期の雨はブドウを肥大化させ、色素が薄まる場合があります。

反対に収穫期が安定して乾燥している地域は脱水により身の引き締まったブドウが収穫され

(例 ナパバレー)、結果的に色の抽出が強くなる場合もありますね。

C. 栽培的な要因

収量も色合いの濃淡に影響してくる場合があります。

乾燥して痩せた土壌で栽培する場合(例 スペインのラマンチャやプリオラート)

やキャノピーマネジメントにより収量を人為的に調整する場合、

身の小さい凝縮した果実ができる傾向があります。

その結果、色が相対的に濃くなる事があります。

収穫時期の判断も関係していると言えます。

レートハーベストのように収穫を遅らブドウが脱水する場合などは色が濃くなる傾向があります。

また、少々ここで細かく書いておきたい内容が温暖化の影響です。

少し脱線しますが、大事だと個人的に思うのでお付き合いいただければ幸いです。

近年温暖化の影響を受けてブドウの糖度があがり、

高アルコールワインが出来上がると言われることもあります。

ただ、本当に温暖化による気温の上昇飲みが原因なのか考える時期にきていると思います!?

実は温暖化により、冷涼化している地域も一部あります

(例 ナパヴァレー南部のTulucay Winesは霧の影響が強まり冷涼化している)。

このようなケースでは、ブドウの糖度やフェノールの成熟が気温の上昇だけでは説明がつかない場合があります。

例えば、近年カルフォルニアではブドウの樹の植え替えがめまぐるしく、

クローンや台木も各々のテロワールに合ったものが選択されるようになっています。

その結果、冷涼な気候でもブドウがしっかりと熟すような事があるようです。

例えば、カベルネソーヴィニオンのクローン7だと冷涼すぎて熟度が足りないが、

337は冷涼な気候を好み、糖度、色、タンニン共にしっかり熟す事があります。(Smith 2014, p.193)。

つまりブドウのクローンの影響が気候を凌駕する場合があるという事も念頭におく必要がありますね。

物事は常に多角的にみる癖をつけていないと、思わぬ落とし穴にハマル可能性がありますね。

昨日の常識が今日の非常識という事実がたくさんあるという事実と、

絶対に過信しないマインドセットを意識して持つ事が大事だと思います。

では、話は本題に戻り、次は醸造と色の関係についてです。

D.醸造的な要因

皮とのマセレーションの期間(発酵前、発酵中、発酵後)が長いと抽出が強くなるため、

色合いが濃くなる場合があります。

但し、収穫のタイミング、一次発酵後の酸素を供給するタイミング、

樽熟成ななども色の抽出や安定に大きく関わってきます

(→これもかなりマニアックなため次回、心の余裕がある時に書きます。)

白ワインの場合は発酵前のスキンコンタクトも影響する場合がありますね(特にグリ系の品種)。

エッジがオレンジがかっている場合、

酸化的に作っている場合や(樽熟成、特に小樽の利用。リオハやバローロ、ブルネロなど)

サンジョベーゼやグルナッシュのように酸化しやすい品種を使っている場合、

または、長期の瓶熟成する場合なども要因として考えられますね。

pHが高いワインや若いワインは紫色に(多分co-pigmentationの影響かな!?)、

またレートハーベストの場合、赤ワインは早期に茶褐色を帯びたりする場合もあるようです。

白ワインの場合、あまりにも還元的(酸素を排除)な環境で醸造すると、

後々変色したりする場合があるみたいで、

醸造初期に変色するフェノールを酸素を供給する事で酸化させ、

沈殿物を取り除く手法も頻繁に使われるようになってるようです。

結局の所、様々な要因が複合的に絡まりワインは作られているため、

全ての事象を単純化する事自体無謀なのかもしれませんね。

ここまで、読み進められた方は相当なワイン通である事は間違いないでしょう!!

もしよければ5月30日にゲストスピーカーを交えた

オンラインブラインドイベントを開催するため、

(赤ワイン1本、白ワイン1本)

ご興味のある方はブラインドセットを購入いただければ幸いです。

WSET勉強されている方にも良い勉強になると思いますよ🤗

詳しくは下記ご参照ください↓

https://earthtoglass.shop-pro.jp/?pid=159860759

Reference:

Smith, C., 2014. Postmodern winemaking. California: University of California Press, p.193.

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