基本の白3品種を改めて比較し味わう



ワインスクール レコール・デュ・ヴァン 趣味の講座
王道&ちょっと豪華なテイスティング講座(全10回)

Aoyama Wine Base会場、篠原が講師の講座の
第一回のふりかえりです。


第一回のテーマは、
基本の白品種

この講座、各回ワインは6種程度という予定でしたが、今回は勢い余って
全9種
になりました。

と言ってもいろんな品種が登場した訳ではなく、
登場したのはすべて
シャルドネ、
ソーヴィニヨン・ブラン、
リースリング 
の いわゆる国際品種と言われる3品種です。

Copyright:Yunio

物理的な制約があるとはいえ、通常のワインスクール等で僕が
「なんだかなー」
と思っているのは、

1個のワインを出して、

「ハイこのワインでおわかりのように、これはこんな品種です。」

とサクサクと話を進めていく事。

そんな単純じゃないでしょ!

造り手によっても、価格帯によっても、同じ品種でも味わいは大きく揺れ動くのが当たり前ですよね。
でもそんな事を言っていたら、キリがないから、、、
ワインスクールというのは、

「経験的にその品種の味わいの中央値に近い」

ものを厳選して提供しているのですね。

とは言うものの、特に国際品種と言われる世界中で栽培されいろんな価格帯のワインが造られている3品種は、やはり代表が1本では無理があるだろうと思うのです。

そこで、今回は基本の3品種を、しつこく、3つの価格帯で、比べてみました。
もちろんこれでもその品種のキャラをつかむには全く足りませんが、
それでも1本の銘柄だけで比較論をするよりはずっと理解の精度が高くなると思いました。

まず前提として、一般的に3つの国際品種に言われるものをおさらい。

シャルドネソーヴィニヨン・ブランリースリング
原産地フランス ブルゴーニュフランス ボルドー地方ドイツ ライン河流域
有名産地フランス・ブルゴーニュ
世界中で栽培されている
フランス・ボルドー
フランス・ロワール河流域
ニュージーランド
チリ など
ドイツでは幅広く栽培(世界の50%)
フランス・アルザス地方
オーストリア
オーストラリア など
色調やや濃い傾向やや薄い傾向価格帯により大きく異なる
香り穏やかな洋梨など、クセのない香りフレッシュハーブ、刈りたての芝生などと表現されるグリーン・ノートが特徴的 ニューワールドのものはパッションフルーツなども菩提樹、蜂蜜などの甘いタッチの上品な香り。熟成するとペトロール香も
味わいしっかりとしたコクと厚みをもつ(ゆえに樽熟成にも耐える)基本的に軽快で、フレッシュさを楽しむワインが多い非常にたっぷりとした酸味が特徴的。
造り手目線では育てやすく、売りやすい!自分の色に染めやすい比較的幅広い条件で育つ 売りやすい収量が少なく、栽培には世話がかかる
消費者目線ではハズレが少ない
濃い白が欲しい時はこれ
樽の効いたワインが欲しいときも基本的にこれ
スッキリしたワインが欲しい時はこれ
ハーブや柑橘を添えると美味しいような、シーフード、前菜と相性がいい
スッキリとしたワインが欲しい時
上級品はちょっと哲学じみた奥行きを感じさせる
甘口も美味しいので美味しい甘口として選ぶケースも


タテのライン(同じ品種での低価格・中価格・高価格の違い)

ヨコのライン(同じ価格帯での3つの品種の比較)

を意識しながらテイスティングすることで、
定番の3品種へのある程度バランスのとれた感覚を養う事ができると考えました。

また、事前情報なしに、皆さんが価格帯の違いをどの程度体感できるのか、

という興味もありました。

Flight 1
シャルドネ/ソーヴィニヨン・ブラン/リースリング 比較
2,00円前後のレンジ

まずはデイリーレンジで3品種をブラインド比較しました。

個人的には、この価格レンジでは
シャルドネ⇒さすがの安定感 ふくよか、中庸
リースリング⇒酸っぱさが際立ち、魅力が出し切れない
ソーヴィニヨン・ブラン⇒華やかな香りが全開で、一番人気

という味わい&生徒さんの反応を予測していたのですが、
蓋を明けてみると、味わいはまあ、予想通りでSBが一番雄弁で外交的
(僕が選んだので当然ですが)
そして一番人気になるかと思いきや
「SBは香りがどぎつくて、あんまり好きじゃない」という方が予想以上に多く。

「え??そうなの??」と思いましたけど。。。
今回参加者が「ソムリエ/ワインエキスパート受験経験者」中心だったので、
いわゆる「ふつーの日本人ちょいワイン好きbut詳しくは知らない」みたいな属性の方に飲んでもらったらまた違った趨勢だったかと思います。ふだんの経験では、この価格帯はSBの圧勝なのですよ(あくまで人気投票的な意味で)


・2,000円の価格帯ではSBの個性が突出
・リースリングは個性を主張しないが、高い酸はこの価格帯から健在
・シャルドネは低価格であっても安定感のある「いつものシャルドネ味」(この造り手の腕がいいのを差し引いても)シャルドネは「失敗しにくい(生産者にとっても、消費者にとっても)」

Flight 2
シャルドネ/ソーヴィニヨン・ブラン/リースリング 比較
4K~5Kくらいのレンジ

お次は4,000円~5,000円台で3品種の比較でした。
この価格帯になると、味わいに深みが増していき、香りも一つの要素が突出するのではなく、多彩な香り要素が混然一体となった陶酔感とでもいうものが感じられるようになってきます。
(較べると、2,000円代のレンジは、個々の品種の香りはしっかり感じられましたが、単調でした。)

・シャルドネは相変わらずの安定。しかし果実のジューシィさと樽からの香ばしさのバランス、および少しの熟成によるマッタリとした風味が感じられ、深みが増し、美味しい。
・ソーヴィニヨン・ブランは、香りの「あざとさ」がなくなり、より多面的で上品な印象に。ただ、低価格帯のバリバリの香りの強さはなくなった。
・リースリングは、品種特有の酸の生き生きとした勢いに、すぐれた立地由来の熟度の高さからの、果実の風味がしっかりと対抗できており、酸が浮き出ていた低価格帯のものと比べ、明らかに味わいの大きさ、丸み、深みが出てきた。
(この銘柄このVTは専門誌でも非常に高い評価を受けており、価格も上限ギリギリなので、ちょっとズルかったかも)






Flight 3
シャルドネ/ソーヴィニヨン・ブラン/リースリング 
比較9,000円以上~の高級レンジ


最後は1万円超えのレンジで。
贅沢な講座です!!

ソーヴィニヨン・ブランはボルドーの樽熟タイプを。
香りは、熟れたメロンのようでもあり、若干のオイリーさと、樽熟成からの香ばしさも感じられた。爽やかさな印象はほぼ、なく。ユニークな味わい。ただこの時は若干、香り・味わいともにおとなしい印象だった。
リースリングはサントリーが所有するロバート・ヴァイル醸造所の看板畑キードリッヒヤー・グレーフェンベルグの20年熟成の2001年もの。
シュペトレーゼクラスで、ALC8%の甘口です。熟成により複雑な香りをまとい、上品な甘味と心地よい酸のハーモニーから非常に官能性の高い味わいだった。(授業のあと、何人かの生徒さんがこのワインを買っていきました/いまも販売ちゅう)
そしてシャルドネは新進のドメーヌ オー・ピエ・ド・モン・ショーヴのピュリニィ1級ドモワゼル。この畑はル・モンラッシェの真横の畑で、このドメーヌのフラッグシップ。お値段は約3万!

普通のテイスティング講座じゃこんなワインは絶対でません。

しかし、この日の2013年ドモワゼルは、開けたてからかなり静かな印象で、香りも抑制的だった。昼に抜栓して、デキャンタージュを敢行しました。前回同じワインを飲んだ時(半年くらい前?)は開けたてから非常に雄弁なワインだったのに、半年で随分と印象が変わった。そういえば、ソムリエ時代も、高級シャルドネの扱いは、神経を遣ったなあ。
ドモワゼルは、授業の終盤にやっと開いてきた感じ。


感想としては

・ソーヴィニヨンは、価格が変わるだけでなく、タイプがガラっと変わるので、同じ品種でも他の2本と断絶が感じられた。また好みで言うと中価格帯のプイィ・フュメのほうが好みという方も多かった。
ボルドーの白の樽熟タイプは、特に有名シャトーのものは軒並み高いが、低価格・中価格帯のソーヴィニヨン・ブランが好きな人が必ず満足するとは限らない。
・リースリングは、この日の一番人気かな。リースリングは熟成により真価を発揮する品種と体感する事ができた。
・シャルドネは、高価格帯になるとむしろ扱いが難しくなる。低価格帯~中価格帯は、おおらかで、失敗しにくいワインであるシャルドネも1万を超えると、還元が強かったり、酸化が進みすぎていたり、飲み頃のポイントを見つけて飲むのが難しい。


同じ品種でも、価格帯によって表情が変わります。
そして、その表情の変わり方も、品種によってバラバラなのが、興味深いテイスティングでした。

一般的な品種の特徴が当てはまらないケースも多いです。
特にシャルドネは、扱いやすいワインというイメージとは裏腹に、高級な銘柄はそのポテンシャルを引き出すのがけっこう難しい。
このあたり、今回の講座で片鱗を体感していただけたのではないかと思います!


講座は残り9回!
通しでのお申し込みで9万円です。
お申し込みはレコール・デュ・ヴァンのHPから是非!!
https://www.duvin.jp/event/1767


次回は「基本の赤ワイン」の予定です!
次回は合計8種のメジャーな赤ワイン用品種によるワインを供出する予定です!!

5/27(金) 19時~ Aoyama Wine Base 2階ダイニングにて!
単発での受講も2,3名様まで可能です!
単発受講料は11,500円です!!
ご興味ありましたら是非お気軽にお問い合わせください!!


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残り9回を通しで申し込みたい方 ⇒ レコール・デュ・ヴァンのHPからお申し込みください。
明日の第二回を単発で受講したい方 ⇒ 直接Aoyama Wine Baseにお申し込みください。

待ってます!!(この↓オジサンが待ってます)

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