ロワール・スター生産者　ダグノー飲み比べ

希少価値の高いダグノー。ここまで並べて楽しめることはないでしょう。

不幸にも2008年に当主のディディエがなくなってしまいましたが・・・・

息子のルイ・バンジャマンは妹のシャルロットとともに素晴らしいワインを生産し続けています。

ダグノーのワインは７つのキュヴェで構成されていて。ブルゴーニュと同じように区間ごとに醸造しています。

エチケットも個性的で時々違うキュヴェのワインも出てきますので目が離せません。

⭐︎インポーター資料より

畑の広さは約12haで土壌と環境を尊重し、父の故ディディエ氏が1989年から続けてきたビオディナミを引き継いでいます。畑の区画によっては馬で耕作を行い、出来る限り機械は使わないような栽培方法が採られています。

2004年に「レ ジャルダン ド バビロン」として初リリース。ラベルの絵はバビロン帝国の壁画に描かれていた神々から引用されています。 
葡萄は畑で選別作業を行いながら手摘みで収穫されます。醸造所の2階にある除梗機で100%除梗され、1階にある空圧式圧搾機でプレスし、地下のタンクへ葡萄果汁が運ばれます。この間の葡萄の移送はすべて重力によって行われます。そして醗酵前に果汁を冷やし、不純物を取り除くための澱引きを密に行います。樽でのアルコール醗酵には純正培養酵母が使われ、新樽と1～3年樽をそれぞれ25%ずつ使用。樽の種類も特注のシガールと呼ばれる300ℓの樽とドゥミ ムイと呼ばれる600ℓの樽を主に使用し、澱に触れる面積の違いによって味わいにも違いが出るようにしています。12ヵ月の醗酵、熟成後にステンレスタンクでアサンブラージュをしてさらに8ヵ月熟成させます。すべてのワインにおいて同様の醸造が行われているので、各アイテムの違いはテロワールのみになります。
2017年ヴィンテージにおいて、分析上の数値は問題なかったのにアペラシオン認証を得るための試飲で揮発酸が多いという指摘を受けてプイィ フュメの認証を得られませんでした。馬鹿げたルールと固定観念に囚われた一部の人々の偏見はプイィ フュメのアペラシオンのレベルを下げると感じたベンジャマン氏は、このような制度に縛られていてはドメーヌのオリジナリティや信念、哲学を表現する本物のワインを造ることは難しいと考え、2017年ヴィンテージから（ジュランソンのモワルーとセックは2015年ヴィンテージから）サンセール以外はAOPを放棄してVin de France（ヴァン ド フランス）としてリリースすることにしました。

⭐︎AOPの制度は温暖化前の制度であり、現在のフランスの気候にあった制度ではありません。

日本の醸造の制度もそうですが・・・。

日本の場合はいかにおいしくワインを作るかという制度ではなく、いかに税金を取るかという制度になっています。

日本のワインの未来を考えるならば日本の制度も大きな改革が必要でしょう。

⚫︎Blanc Fume de Pouilly

ハーブのフレッシュなニュアンス

生き生きとしたアロマが心地よくフレッシュ。

AOCの取り決めに対抗して、裏ラベルが変化しているのも楽しい。

牡蠣の化石が混ざる粘土シレックス土壌と石灰質土壌の2区画を別々に醸造してアサンブラージュする、ダグノーでは唯一の土壌が違う畑のブレンドワイン。グレープフルーツやすだち、はっさくなどの柑橘系風味が豊かでほんのり苦味も感じられます。以前に造られていた「EN CHAILLOUX（アン シャイユー）」に代わるものです。　

⚫︎Pur Sang

サンローラン・ラベイ２haの１区間のみで生産。小さな火打石と軽い粘土のテロワールがエレガントで繊細な味わい

レックス（火打石）の大きさが小さく、雨が浸透しやすいので平均樹齢25年の木には繊細な葡萄ができます

サンローラン・ラベイ・・・・醸造所があるサン・タンドランの丘の斜面の下方に位置する畑　2ha　５km離れたところ

その昔、この地方のソーヴィニヨン ブランで造られていたワインは「PUR SANG」と呼ばれており、ディディエ氏は歴史を重んじる意味でこのワインにその名を付けました。

伸びやかなミネラルがあり、熟した桃のニュアンスも感じられる。

ソーヴィニヨン・ブランの特徴的なハーブのニュアンスは穏やか

酸が豊富なとインポータ資料にはありますが、個人的には酸のレベルはかなり低く感じました。

⚫︎Buisson Renard

醸造場があるサン・タンドランの斜面の下の方にある葡萄畑

平均樹齢は約30年で粘土シレックス土壌の1.5haの1区画のみの葡萄が使われます。シレックスは粒が大きく地表にあるだけで地中は深い粘土質で肥沃な土壌なので凝縮感のある葡萄ができます。

ねっとりとしたミネラルがあり、酸味は穏やか。こってりという言葉が合うかもしれない。

こちらもハーブのニュアンスは控えめ。若干の還元が感じられる。

⚫︎Silex

所有畑は醸造所の裏手にある東向きの区画と村はずれにある北東向きの区画が中心で広さは約4haほどになります。粘りの強い粘土質の土壌に大きなシレックスが地表だけでなく地中深くまで埋まっています。ほとんどが樹齢80年の古木で、骨格がしっかりとしていて厳格な印象、ハツラツとした酸味と凝縮した旨味、シレックス土壌からくる鉱物的なミネラルを存分に味わうことが出来るワインです。1985年から造っている、当ドメーヌで1番古いアイテムです。

醸造場があるサン・タンドランの丘の上に位置する葡萄畑

硬い粘土・大きな火打石が特徴的

より複雑なアロマ・味わい

素晴らしいバランス。

酸味とミネラルが共存していて球体を感じさせられる味わい。

ハーブのニュアンスもあり、ソーヴィニヨンらしさもある。

熟成のポテンシャルも感じられこの先も楽しみ。

⭐︎2021XXI (ヴァン・ド・アン）

2021年は天候不順　主に霜により７５%の収量減

キュヴェを分けての生産が不可能だったので全てを混ぜ合わせて作って希少キュヴェ

今までのワインとほぼ異なる味わい。

ニュージーランドを思わせる若草やハーブなどのニュアンスが強く、余韻は軽め

個人的には熟成させずに今楽しむべきワインなのかなと思いました。

⚫︎LES JARDINS DE BABYLONE MOELLEUX

上品なシャインマスカット、少しコンポートしたリンゴのようなニュアンス

少しトーストが感じられいつまでも飲んでいられるような心地よさ

大ぶりなグラスよりも小ぶりなグラスでゆっくりと提供させることが望ましい。

若いうちに飲んでも楽しめるが熟成することにより複雑になる。

葡萄品種はプティ マンサン種2/3、グロ マンサン種1/3。甘口のMoelleux（モワルー）と同じくピレネー山脈の麓にある礫岩（プディング土壌）の畑で、葡萄の樹齢は約20年。醸造も他のワインと同じで横長のシガールと呼ばれる樫樽（新樽～6年樽）でアルコール醗酵を行い、そのまま12ヵ月熟成させた後にさらにステンレスタンクで11ヵ月熟成させています。2013年が初ヴィンテージでアルコール度数は11%、甘口のモワルーほどの残糖分はないのでより繊細な酸味が際立った甘いながらも飲みやすい味わいになっています。