元ドン・ペリニヨン醸造長が富山でつくる日本酒 IWA見学レポート!Part① by AOYAMA WINE BASE
こんにちは!
Aoyama Wine Baseの このみ です(・∀・)☆
当店でも以前から取り扱っている日本酒 "IWA5"。
なんと!今回!実際に富山にある酒蔵にお邪魔させていただきました!!
※IWA5とは、究極のアッサンブラージュによって造られる唯一無二の日本酒です。
では、詳しく見ていきましょう!!
五百石駅から車で山を登っていくこと10分ちょっと。
田んぼに囲まれた土地にぽつんと大きな建物がぽつり。
(この建物が建つ前は、ここも全部田んぼだったらしい)
IWAの創立者・メーカーである リシャール・ジョフロワ氏は、
ドン・ペリニヨンの5代目 最高醸造責任者を28年間務め、黄金時代を築いたすごい人物。
※画像は公式hpより引用
ドンペリニヨンのPRイベントなどで初めて来日したのは、1991年。
それ以来87回来日!日本に深い愛を持つようになったそうです。
ちなみに最初は日本酒にはあまり興味がなっかたみたいですが、何度もソムリエや料理人、蔵元の方と話しながら飲むうちに、世界でワインのように愛される大きなポテンシャルがあると感じるようになりました。
ー和食だけでなく、世界の食文化に合う日本酒をつくりたいー
そこで、パートナー探しすることに。
しかし、色々な酒蔵に提案をしたが、なかなか協力をしてくれるところが見つからず・・・
そんな時、友人の隈研吾さんが紹介してくれたのが、富山の桝田酒造店でした。(満寿泉が有名ですね!)
桝田さんは快く受け入れてくださり、富山での日本酒造りがスタートすることになりました。
酒蔵を造るなら、田んぼに囲まれたい!
山が見える!そして海も見える場所が良い!
という強いこだわりから、この地に決定したそう。
この日はちょっと曇っていてうっすらとしか見えませんでしたが、遠くに富山湾、晴れると能登半島まで見えるんですって♪
画像だと分かりにくいですが、遠くにうっすら見える富山湾
右側に館山連峰
そう、まさにここはリシャール氏の希望を満たす最高の場所なのです!
さて、"IWA岩" という名前の由来ですが・・・
この土地の下の方に白岩集落が広がっていて、白岩川が流れています。
この酒蔵の住所も白岩だった為、土地の名前を入れたかったリシャール氏は、「株式会社 白岩」と名付け、 IWA岩という銘柄は、その白岩からきています。
そんな自然豊かな土地にふさわしい酒蔵のデザインは、岡山の合掌造り をイメージして造られています。
これぞまさに Simple is the best.
デザインを手がけたのは隈研吾氏。
田んぼの美しい風景に溶け込むシックな佇まいでありながら、存在感抜群です。
冬は雪が積もってまた美しそうです~
いざ!館内へ。
スリッパに履き替えて、館内に入ります。
吹き抜けの広々とした空間
天井は隈氏のシグネチャーデザインに、シンプルで洗練された掘りごたつのようなカウンターが広がっています。
木材は、全て富山県氷見市の杉を。
カウンターの木も、白岩川の河口にある水橋町の神社の境内にあった一本の木を使用。
「The origin is the destination」
原点が目的地であるー
このカウンターの木も、白岩川の水で育てられ、最終的に切られて、この白岩の地に戻ってきた
というイメージ。
そして、館内の壁は全部和紙が貼られています。
コロナ渦の2020年、観光需要もなく仕事に困っていた和紙職人15名ほどに1万枚和紙を漉いてもらったんだとか!
よく見るとつぶつぶが。正体は、この土地にあった田んぼの籾殻でした。
土間のすぐ隣には、仕込みタンクエリアが奥まで見えるようになっています。
この土間のスペース横にある扉から、本格的に醸造エリアへと入り、廊下を進んでいきます。
仕込みは10月下旬~3月の中旬なので、現在は空っぽということでした。
外を見ると、実験的に植えてる飯米用の田んぼが。
こしひかりと富山のブランド米「富富富」や、酒米の五百万石を有機栽培しているそうです♪
ゆくゆくはここでとれた酒米の使用を目指しています。
では、二階に上がっていきましょう!
階段を上ると、壁紙の和紙にもちょっと変化が。
二階は醸造所になっており、原料を扱っているところ。
ということで、より複雑なイメージの壁紙に仕上げられています。
階段の踊り場からも1階の仕込みタンクの様子が見れるようになっていました。
さあ、ここから日本酒造りが始まります。
まずは洗米機
伝統的な手洗いでやっているところもあるけど、こちらでは吸水率のムラもなく綺麗に洗える洗米機を導入していました。
こちらでは、山田錦・五百万石・雄町、3つの酒米が使用されます。
※基本的に現在は時期ではない為、稼働はしていません。
蒸し器
放冷機
麹室では、アッサンブラージュのため、クラシックな麹から特別な麹まで様々な種類が手作りでつくられます。
IWA5は、複数のお米、複数の麹の種酒から造られているんですね!!
酛部屋
こちらで速醸酛がつくられます。
(短期間でつくることができ、安定していて汚染されない為、ほとんどの酒蔵が使用している現代的な酛)
生酛専用の酛部屋
この伝統的な技である生酛造りは、微生物によって発酵が始まるため、先ほどの酛部屋と違い、こちらは木の蓋になっています。(どこかに微生物が宿る必要があるため)
この生酛による種酒つくりも、IWAにおけるアッサンブラージュの重要な味の要素となっています。
生酛について・・
日本酒を造る過程に「酒母造り」があります。
酒母とは、蒸した米と水に麹、酵母、乳酸菌を加えたもので、酵母を培養することによって日本酒の発酵の元になるものです。
この酒母が、日本酒の原型である「醪(もろみ)」のベースになります。
通常の日本酒造りでは乳酸は人工のものを使いますが、生酛(きもと)造りでは乳酸も手作業で造ります。人工の乳酸を使った酒母を「速醸酛(そくじょうもと)」、天然の乳酸を使った酒母を「生酛(きもと)」と呼びます。
さらに、IWAでは、酵母も5つ使用していて、その中にはワイン酵母もあります。
ワイン酵母は、清酒酵母と違う繁殖条件があるので、ひとつひとつ汚染されないように分けてつくっています。
ということで、IWA5は、3種のお米、複数の麹、5つの酵母によって造られていることが分かりました!!
"5"という数字は、バランス、ハーモニー、融合や本質を表し、IWAにとってアッサンブラージュを象徴しています。
テロワールを重要視するワインとはまた違い、人の手でしかなし得ない非常に沢山の複雑な工程を経てつくられる日本酒に、リシャール氏は興味を持って始めた新たな挑戦。
よくワイナリーや酒蔵は、畑と醸造所、テイスティングルームなどは少し離れた、あるいは隣の建物にあったりしますが、リシャール氏の考えでは、「大きな屋根の下にすべてがある」という概念を大事にしているので、このような酒蔵の設計に至ったそうです。
今回は、リシャール氏の日本酒へのこだわりが垣間見える貴重な見学となりました!!
ちょっと長くなってきたで、この後のテイスティングの様子やIWAについての詳細は、また次回のblogで☆
最後までご愛読ありがとうございます!
Aoyama Wine Baseでは、IWA5 を常時グラス売りしています。
ぜひ飲みにいらしてくださいね♪
それではまた続きもお楽しみに(・ω・)ノ
※IWAの蔵元は、現在はまだ関係者のみの見学で、一般公開は行なっていないそうです。
(文:このみ)