2022/7/22 ニコラジョリー クレ・ド・セラン垂直!!!@Aoyama Wine Base
皆さんこんにちは、1日にニコラジョリーさんとのオンラインセミナーがありましたね!!
すごく愉快なセミナーでした。
AoyamaWineBaseでは、ニコラ・ジョリーさんのバックヴィンテージをかなり揃えております。
(シェフソムリエの好みでして・・・・。)
販売もしておりますのでぜひこの機会にお試しください!
「イケムに並ぶフランス五大白ワインの1つ」と評される、クロ・ド・ラ・クレ・ド・セラン。
現在ではビオディナミの伝道師とも呼ばれるニコラ・ジョリー。
1980年からは部分的に、1984年からは全ての畑にビオディナミ農法を導入。
テクノロジーやテクニックに依存し画一化されたワインの氾濫を憂いだニコラ氏は「おいしいワインである前にその土地固有の繊細さを表現した本物のワインでなくてはならない。」というAOC法(原産地呼称統制法)の原点への回帰を提唱。
2002年の収穫からは、娘ヴィルジニーが参画し、ワインづくりを行っています。
【ニコラ・ジョリーについて】
現当主であるニコラ・ジョリーは、1970年にコロンビア大学MBA修了後モントリオールの金融省に1年半、更にモルガンスタンレー(ニューヨーク・ロンドン)に5年間勤務。
その後、1976年に銀行家としての生活を捨て、母が運営していたドメーヌに戻りブドウ栽培の見習いを始める。
当初は他の農家と同じように除草剤や化学肥料を使って栽培していたが、畑に昆虫がいなくなり、土壌も明らかに変質しているのに気づいた彼は、ルドルフ・シュタイナーが提唱するビオディナミ農法に取り組むことを決心。
この農法を取り入れた当初は、近隣の栽培家より冷やかされたり「息子が帰ってきて、お母さんが可哀想だ」などと非難されたが、彼の決意は揺らがなかった。
そして1983年頃から畑がよみがえり始め、豊かでエレガントなワインが出来るように。
現在ではビオディナミ農法の教祖と呼ばれ、マダム・ルロワやマルセル・ダイス、シャプティエなどの偉大な造り手たちも教授を乞う、ビオディナミの中心的人物となっている。
畑は馬で耕し、他にも羊や牛、ロバなどを飼い、これら動物が持っているエネルギーをブドウ造りに取り込む環境づくりを行う。
ニコラはクローン反対派で、クレ・ド・セランにある樹齢80年以上の古樹から接木し植え替える、昔ながらのマサル・セレクションを採用。収穫は全て手摘みで、房ごとの熟度に応じて数回に分けて行う為、その期間が2カ月に及ぶことも。
マサル・セレクションは、最近重要な栽培技術になりますのでぜひ調べてみてください。
醸造はできるだけ介入しないのがモットー。
人工酵母を使用せず、発酵時の温度コントロール、デブルバージュ、コラージュも行わない。
主に古樽で数カ月間熟成後、瓶詰め前にフィルター処理をごく軽く行う。
2001年、ジョリー氏はビオディナミの団体「Return to Terroir」を創立、12カ国、約150生産者がこの団体に所属。
また、彼はこの団体を通し、世界中で講演し、原点へ回帰を提唱している。
【畑について】
ニコラ・ジョリーはロッシュ・オー・モワンヌ、サヴィニエール、クレ・ド・セラン(約7haのモノポール)、の3つのアペラシオンの畑を持つ。
単独所有するクレ・ド・セランは、ロワール河の北岸のサヴニエール地区にシトー派の修道僧によって1130年に植樹されました。
その修道僧たちが暮らしていた屋敷が畑のところにまだあり、現在はニコラ氏の息子さんが暮らしているんだとか!
平均樹齢40~60年で、ぶどうは、シュナン・ブランのみ。
畑の周りには沢山の木々が生えており、そこに沢山の種類の昆虫など共存し、多様性のあるテロワールになっています。
ぶどうは、きちんと熟す(果皮が黄金色になるまで)のを待ってから収穫。
早朝に、近くのロワール川で発生する霧によって貴腐菌が繁殖 → 年によって異なるが、数%ブレンドされます。
土壌はシスト(編岩盤)で、痩せた堅い土壌→収量が減ります。
ビオディナミは、ビオロジックと比べると、より光合成をする力を促してくれ、地面から栄養を吸収する働きを促進してくれると考えています。
まあ、ジョリー氏の考えはとても奥深く、こちらには綴りきれないのでこの辺で、、、
★さて以下、テイスティングコメントです↓↓
2018 Clos de la Coulee de Serrant (Nicolas Joly)
2018年は、夏の高い気温により、酸味、果実味ともに理想的に成熟し、品質と収量共に恵まれた年。
外観は、輝きのある淡いレモンイエロー。
洋なしや白い花、はちみつのような甘やかで華やかな香り。ビオデイナミ独特の香りが強く出ています。
アタックはまろやか。若々しく、ピュアな果実味に溢れ、ミネラル感もたっぷり。
心地よい苦みと、伸びやかな酸が余韻へと続く。ボトリシスが少ないのか、ドライな味わいです。
今回、若いクレ・ド・セランを初めて飲みましたが、古酒の複雑な印象とは打って変わって、ピュアで純粋に美味しい。
個人的にはまだまだ堅いので数年寝かせてから楽しみたいです。
2006 Clos de la Coulee de Serrant (Nicolas Joly)
2006年は、日照時間300時間を超える等、快晴に恵まれ、降水量も125mmと平均を上回った年。
外観は、輝きのある濃い黄金色。
香りは力強く、ほんのり蜜が上品に香る。ハチミツやコンコード、マリメロなどのコンポート系の香りが強い。
ボトリシスの影響が強く出ているのだろうか??香りは複雑で甘やか。ほのかにヴーヴレを思わせる。
飲んでみると、酸は綺麗で力強い。2018年と比べるとここからかなり複雑になっていく。
複雑でボリューム感のある味わいが口中を満たしてくれる。
まだまだ若々しい印象。果実味やボリューム感・甘味が好きな方はこれくらいの程々の熟成が心地よい。
2001 Clos de la Coulee de Serrant (Nicolas Joly)
絶賛販売中!!!蔵出し!!
ご購入はこちらより
ロワールの2001年の評価は最高の出来!!
外観は一気に琥珀色。(※こちらの写真は底の方)
麦わらや、ピート、ヨード香、コニャックのような複雑で芳醇な香りに包まれる。
暑い夏だったため(600時間を超す日照時間を記録する快晴)、ぶどうが良く熟し、他のヴィンテージに比べると、濃厚で芳醇な仕上がり。少し焦げたようなニュアンスがあるのもこのためか??ネガティブな感じではない。
香り、味わい共に、このヴィンテージから熟成感が圧倒的に感じられる。
緑茶、紅茶を連想される味わいで旨味とコクに溢れていて、酸味は穏やか。
個人的には、まさにニコラの作るクレドセランといえる。
ワインというより、ウイスキーやハードリカーを連想させられる不思議なスケールがある味わい。
また違った味わいのシュナン・ブランを楽しみたい方は、絶対1回は飲んでいただきたいです。
こちらは、弊社のワインショップ「earth to glass」で販売中です☆
ニコラ氏曰く、自身のワインは、抜栓して1年くらい置いておいても美味しく飲めるとのこと。
時間の経過と共に、味わいの調和がとれてくる、味の変化が広がっていく。
楽しめるワインというのは、その土地らしさを持ったワインである。
一方で、時間の経過とともに味が落ちていくワインというのは、技術によって造られたワインと言える。(ぶどうのポテンシャルではなく、技術に頼った)
古酒になるにつれて、もちろん置いておける期間は短くなっていくが、この力強いヴィンテージなら結構いけそう、、笑
1991 Clos de la Coulee de Serrant (Nicolas Joly)
外観は淡い黄金色。2006年と色合いは似ているが、若干濃い。
香りは、モカや藁、ちょっといぶしたニュアンス。01年と比べるともう少し透明感がある柔らかいニュアンス。
2006年よりは、蜜やカリンのようなニュアンスは少し控えめ。
どちらかといえば、まだ閉じている印象。
91年は涼しいヴィンテージなのでこちらは打って変わって穏やか、スリムなタイプのクレドセランと言える。
シュナン・ブランというと、こういった味わいを連想される方が多いかな??
ブーケを感じるというよりは、第一アロマを強く感じる味わい。
1989 Clos de la Coulee de Serrant (Nicolas Joly)
透明感のある淡い黄金色。
洋なしやカリンを思わせる甘いコンポートの香りにうっとり。
2001年同様、暑い年だったので、よく熟したぶどうから出来上がった豊満で旨みの塊。
濃厚でまさに上質な蜜のよう。ボトリシスの影響が出ていてかなり複雑な甘み。
力強い生命力を感じさせる一本。まだまだ若々しく素晴らしいスケール。
1本通してゆっくり楽しみたい。
ん-、、、おいしい。。
一番人気!!
1980 Clos de la Coulee de Serrant (Madame A. Joly)
外観は、1989年とあまり変わらないが若干淡い、透明感のある黄金色。
約42年の熟成を経て、藁やシェリーのような、独特で熟成感溢香りが漂う。。
雨が沢山降った年なので、2001年や1989年と比べると、しっかりとした酸が感じられ、かなり繊細でエレガントなスタイル。
少し弱いヴィンテージなのでかなりスリムな印象。
これ以上、ワインは向上しないと思うのですぐに飲むことをお勧めします!!
このヴィンテージは、抜栓して数日にかけて変化を楽しむというよりかは、その日のうちに飲んでしまった方が美味しいかと思います!
アルコール・ボリューム感は穏やかで、シャープな酸の中に胡麻のようなスパイスと甘みを感じる。
ニコラ・ジョリーのワインは、ヴィンテージによってかなり味が異なると聞いていましたが、今回はヴィンテージや熟成年数の違いを並べて飲むことによって、はっきりと特徴を感じることができました!
個人的にも、1989年が一番好きでした♪
2001年も良いですね!!
まだの方は、ぜひ一度お試しくださいね~!
ちなみに、
シンボルマークである、タツノオトシゴは、もともと左向き
→Jolyの「J」と形が似ているため、左向きデザインされています。
あとは、joly氏のおじいさんが、サイン代わりのように使っていたハンコがタツノオトシゴだったため、そこから着想を得たみたいです!
そして、1999年から、タツノオトシゴが急に右向きに変わっています!!
フランスでは、右向きは、「将来を向く」 という意味があり、変更したんだそうです。
また、タツノオトシゴは、海の中でおそらく垂直の姿勢で泳ぐ唯一の生物で、太陽の光、熱を取り込み、「垂直のエネルギー」を持つと二コラ氏は考えています。
以上、豆知識でした!
ではではまたお会いしましょう(・ω・)/
(文:このみ)