カヌレとは・・・??コラージュ??
みなさんこんにちは、The Old Water Clubの吉原です。
今回は、ワインに欠かせない技法とそこから生まれたお菓子のお話。
コラージュとは、ボルドーで伝統的に行われる技法で赤ワインの清澄をするために瓶詰め前に卵白やベントナイト、ゼラチンなども用い、ワインの中の濁り成分を塊にし、取り除く事を言います。
簡単にいうとワインの不純物を取り除く作業ですね。
詳しく知りたい方は・・・。
卵白の中には、アルブミンというタンパク質が含まれていて、タンニンと結びつき易い。
タンパク質が少しずつタンニンと結合し、だんだん重くなり。
熟成中のワインの底に沈んでいきます。
大体2ヶ月くらいで全て結合するみたいですね。
17世紀からフランスでは、ずっとこの方法でワインから不純物を取り除いています。
卵白を入れるボールにも”ボンタン”という名前がついている・・・w
ボールにそんな名前をつけるくらい重要な工程なんです。
このコラージュをすることにより、赤ワインに深みが出て、アロマがより複雑になり、タンニンからは荒さが消え、
まろやかな味わいに・・・
んーまさに先人の知恵。
卵白が多ければいいというわけではなく、1樽(バリック225リットル)に対し、数個でいいようです。
長々コラージュについて話ましたが、カヌレはここから生まれた・・・と言われています。
コラージュをするたびに”卵黄”が残ってしまうから!!
無駄を出さないという精神から生まれた伝統的なお菓子!!
そういう豆知識を知ると”カヌレ”をみたとき、なんとなくほっこりしますよね。
最近、再ブレークし始めたカヌレ。
見かけたら、ぜひ買ってボルドーワインとマリアージュさせてください。
こちらは、カヌレの最高峰”ラ・スール”さんのカヌレ
博多発のいろんなアレンジがされたカヌレ。
もはや、カヌレではないのかもw
マニアックにカヌレを語ると・・・・。
ボルドーの女子修道院で作られる伝統的な洋菓子でカヌレ型という小さな溝のついたで焼かないといけない。
カヌレは元々溝という意味です。
牛乳、ラム酒、バター、砂糖、薄力粉、全卵、卵白、バニラを合わせた生地を寝かし、蜜蝋または、バター
を塗った型に生地を流し込み焼き上げる。
表面カリ!!中しっとりが、カヌレ!!!
この小さいのが伝統的なカヌレ型・・。
大きい方が個人的には嬉しいがw
そんなカヌレと今回は、シャトー・ムートン・ロスチャイルド1957年を贅沢にマリアージュさせてみました。
アンドレ・マッソンが描いた絵画
ワインを飲んでいた人間がいつの間にか葡萄のつるに巻きつかれてしまっているというなんとなく皮肉じみた可愛らしい絵。
個人的にムートンでは、この1957年のアートが一番好きです。
アートラベルを手がけたアーティストは、数ケースワインをもらえるという報酬方式が今も続いているらしいが・・・。
どれくらいもらえるのだろう・・・。
やはり、ワイン好きが選ばれるのだろうか・・・・。
1957年は、グレート・ヴィンテージとは言えない年。しかし!!素晴らしい状態で大変楽しめ。まさに古酒の醍醐味である味わいを楽しめる素晴らしいワインでした。
全体的には涼しい年であったからか、酸味がしっかり残っていて・・・この酸がワインを長い時間守ってきたのではないかと思える味わい。
明るく柔らかなガーネット。中心からエッジにかけて大きく色合いが変化。
エッジは、かなりオレンジ。印象としては思ったよりも若い色合い。
第一アロマよりも、ブーケが前面に出ているが、その中でオークのニュアンスもほのかに香り、
まさに若々しさも残すような味わい。
余韻が長く旨味が凝縮していて、タンニンがきめ細かく、渋みを感じさせない。
まさにブルゴーニュのような美しいタッチ。
ボルドーは熟成すると本当に美しい!!
正直、カヌレは、古酒には合わなかったですねw
若いボルドーと合わせて楽しみました。
長々とありがとうございました。
では、お店で