サンジョベーゼ オリンピック 結果発表(2)
皆さん、こんにちは!フィゴーニです。
キアンティとブルネッロ各々の金メダル、銀メダル、銅メダルの発表を行います。
【キアンティ部門】
GOLD
★Poggio Lombrone Montecucco Sangiovese Riserva Castello Colle Massari 2013
総得票数 14 金メダル5 銀メダル8 銅メダル1
希望小売価格:¥7652 (※販売は要相談)
総得票数第一位で金メダルと銀メダルの合計が最多の13個。これは、票が集まるのも納得です。
もっともキアンティグループの中で果実の凝縮感があり、複雑で余韻が長いワインだと個人的に感じました。ある意味、もっともブルネッロに近い味わいではないでしょうか!?
ただ、このワインはキアンティでもなんでもなく、モンタルチーノより海に近く温暖で乾燥した気候のモンテクッコという地区です。
実はあまり知られていませんが、モンテクッコは2011年にDOCGに昇格している品質に対して値段がお手頃なコスパが良い産地です。
こちらのワインはRiservaですので、アルコール規定が通常のロッソに比べ0.5%高い13.5%以上、最低熟成期間が30ヶ月(うち2年の樽熟)と定められています。
そのため、ワイン液面のエッジは褐色がかってますし、熟成由来のドライフルーツとフレッシュで完熟したブラックチェリーの香りが交わり複雑で味わい深いです。
フィゴーニポイント: 90点
SILVER
★Il Carbonaione Poggio Scaletti 2017
総得票数 12 金メダル 6 銀メダル4 銅メダル2
希望小売価格:¥7700(当店価格→¥7467)
こちらも総得票数が11と2番目に多く、金メダルと銀メダルの合計が9つもある、銀メダルに相応しい素晴らしいワインです。
イタリアのスーパーエノログ、ヴィットリオ フィオーレ氏がキアンティ・クラシコの中のグレーヴェインキアンティに開いたワイナリーです。
その彼の作る代表作が70年を超える樹齢のサンジョベーゼの“オリジナルクローン”、サンジョベーゼ・ラモーレを用いたもので、今回ご試飲いただいた銘柄、Il Carbonaioneです。
サンジョベーゼ100%で作られるモダンな作りのワインで、香りや味わいはまさしくスーパータスカン的だと思います。
バリックの新樽由来のバニラの香りとサンジョベーゼのチェリーの香りが見事に調和しており、今飲んでも満足度が高いですが、長期熟成のポテンシャルを持ち合わせた複雑で余韻の長い逸品です。
フィゴーニポイント:90点
オンラインショップでも販売していますので、この機会に是非↓
BRONZE
★Bibbiano Chianti Classico Reserva 2016
総得票数 12 金メダル3 銀メダル3 銅メダル6
希望小売価格:¥3960 (当店価格→¥3682)
総得票数が12で金メダルと銀メダルの合計が6, 銅メダルが6の価格を考慮するとかなりコスパが良いワインです。
ワイナリーは1942年から2004年までかの有名なジュリオ・ガンベッリ氏が働いたワイナリーで今なお彼の哲学が引き継がれている超優良なワイナリーです。
長いマセレーション(果皮と果汁の長期接触)が特徴(15日〜30日)でブドウ由来のアロマやフレーバーを最大限に引き出しています。テイスティングしているとその哲学が伝わってきます。熟したブラックチェリー、赤いプラム、すり潰したラズベリー、赤いローズなどエレガンスと力強さの調和がとれた素晴らしいワインです。
金と銀メダルのワインに比べると少し劣るかもしれませんが、値段が半分くらいと考えると、はっきり言ってこれは買いです。
フィゴーニポイント:89点
オンラインショップでも販売していますので、この機会に是非↓
【ブルネッロ部門】
GOLD
★Poggio di Sotto Brunello di Montalcino 2014
総得票数 9 金メダル 7 銀メダル2
希望小売価格:¥27448 (※販売は要相談)
僅差で金メダル!!超伝統で格式高いワイナリーのポッジョ・ディ・ソット。
醸造責任者はビッビアーノと同じくイタリア随一の名醸造家のジュリオ・ガンバッリ氏が名声を築きあげました。スラヴォニアンオークにて4年熟成の伝統派ですが、常に果実のピュアさ、透明感やエレガンスに重きを置くブルゴーニュのグランクリュと比較されるワインです。
これを美味しくないという人はおそらくいないのではないでしょうか!?
万人がうまいと思わず口に出してしまうモンタルチーノでトップワイナリーの一つです。
フィゴーニポイント:94点
SILVER
★Salvioni Brunello di Montalcino 2015
総得票数 11 金メダル 6 銀メダル2 銅メダル3
希望小売価格:¥23271
(※売り切れのため販売不可)
幻のブルネッロと名高いサンジョベーゼの最高傑作の一つである事は間違いないでしょう。
生産本数も2015年は480本程度で日本にも僅かな入荷になっています。弊社でも1本しか手に入らなかった超レアもののため、残念ながら販売はしておりません。
個人的にはエレガンスやフィネスに重きをおいているポッジョとは違い、パワーと豊満さが特徴のワインだと感じました。素晴らしいワインである事は間違い無いです。
フィゴーニポイント:93点
BRONZE
★Mastro Janni - Brunello di Montalcino 2016
総得票数 8 銀メダル2 銅メダル6
希望小売価格:¥8910 (当店価格:¥8490)
個人的にも昔から大好きな銘柄です。金や銀メダルに比べてると複雑性や余韻の長さにやや欠けますが、香り、味わいは間違いなく一流ブルネッロです。
2016年は素晴らしいヴィンテージですし、今飲んでも美味しく、長期熟成もできる万能型のブルネッロです。価格もブルネッロにして7000円と穏当で手が届きやすい。
ポッジョやサルヴィオーニが2万を超えてきますが、味わいも2倍〜3倍美味しいかというと全くそういう事はありません。個人的には、あくまで2〜3点高いくらいの印象です。
では、一般の方が2〜3点高いワインのために2倍のお金を出すかと言うと, あまり現実的ではないという考え方も出来るのではないでしょうか!?
品質も味わいも申し分ないこちらのワインは少し特別な時、もしくは贈答品にいかがでしょうか。
フィゴーニポイント:91点
オンラインショップはこちら
【惜しくもメダルは取れなかったものの、大変評判がよかったワイン】
Chianti Rufina ”Frascole” Riserva 2015
希望小売価格:¥4620 (当店価格:¥4296)
フローラルでエレガントなキアンティが好きな人にはおすすめです。
キアンティクラシコに比べて平均5度低い気温、標高550mで山のワインを思わせる果実味と酸味の緊張感が素晴らしく、繊細さや透明さが秀でているワインです。
一本通してグビグビ飲めるような軽やかさと力強さを併せ持っているワインです。
野生酵母発酵、古バリックで12ヶ月熟成、サンジョベーゼ95% カナイオーロ5%のクラシカルなワインです。是非試してもらいたい一本です。
フィゴーニポイント:88点
オンラインショップでも販売していますので、この機会に是非↓
★フィゴーニの所感
今回僕も実際テイスティングを行い思った事は、非常にレベルが高い戦いだった事もあり順番をつけることが難しく感じた事でした。
まさに、オリンピックの100m走でいうところのトップアスリートが0.01秒の世界を争う、そういったレベルの高い戦いだったのではないかと思います(ボルトくらい飛び抜けた存在はいませんでしたが、どのワインもサンジョベーゼのトップランナーである事間違いないトップ銘柄の一角です)。
そのため、品質もさることながら、好みも多大に影響してくるテイスティングだと感じました。
ワインは嗜好品ですし、どこまでいっても最終的には好みである事に異論はないでしょう!そのうえで皆さんには順位をつけていただきました。なぜなら、近年の傾向で順番や点数をつける事が日本社会全体の風潮で倦厭されながらも、あえてそこを追求する事に個人的には意義を感じます。
「皆んな違って、皆んな良い」という考え方には基本的には賛同しつつも、やはり、質が高い“モノ”は適正に評価され賞賛が贈られるべきだと思いますし、本気で“最高”を求める事にこそロマンや楽しさがあると考えます。
【“最高”とは今回どのように捉えられるのでしょうか!?】
1つ目がキアンティとブルネッロの格の違い(品質)です。
皆さん口々にキアンティを試飲した後にブルネッロをテイスティングしましたが、どなたも、ブルネッロを圧倒的に高評価していました。当たり前と言えば当たり前です。
ブルネッロの方が大体1.5倍〜10倍の値付けです。その品質の高さから、ある程度ワインが飲み慣れている人だとブルネッロが高く評価されるのが一般的だと思います。香りの数の多さ、奥行、複雑性や味わいの凝縮感、強さ、余韻の長さどれをとってもキアンティを凌駕していたと言えます。改めて、高級ワイン産地が高級である所以を確認できました。
あえて点数をつけるならば、キアンティが80点〜89点の世界の戦いであるのに対して、ブルネッロは90点〜100点の世界に思えました。日本のプロ野球と大リーグくらい世界が違うのかもしれませんね〜!?
【ブルネッロの金、銀、銅メダルについて】
物事を単純化するために分かりやすく金、銀、銅と今回はしましたが、個人的には全てが微妙な差でした。そのため、金メダルとメダルを取れなかった4位の差は僕の感覚だと3ポイント差くらいしかない感じでした。
例えば金メダルのブルネッロが95点だとしたら4位は92点といった感じです。つまり、差があるようで無く、無いようである。。。本当に微妙な差であると同時にものすごくレベルの高い競争でした。選ぶ時は至って真剣で吟味しなければいけませんでした。それでも、悩みに悩み抜きトップ決まりました。
ある意味、この差は品質の差というように表現できるかも知れませんが、個人的には好みの差であると感じました。
例えばArgianoのBrunello di Montalcino 2016は英国でキャンター誌では97点ですがワインスペクテーター誌では93点の結果です。個人的には93点の方でしたが、銀メダルをつけた人も多かったため(5名)、その方々からすると、もっと点数を高くつけるかもしれませんね!?